SAKAE堂書店

主に読んだ本のこと

自由なサメと人間たちの夢

こんにちは、サカエです。

 

第二回の更新となりましたが、今回はさっそく本の感想を書こうと思います。

ということで栄えある第一回の作品はこれっ!

 

『自由なサメと人間たちの夢』(渡辺優)

自由なサメと人間たちの夢

自由なサメと人間たちの夢

 

 

この本はいわゆる「装丁買い」。

表紙のイラストが、なんだかとっても好きだったんです。

 渋谷を背景に、泳ぐように浮かぶ若い女性と、その周りに漂うサメたち…。

不思議なタイトルと相まって作り出された独特な世界に目が留まりました。

 

作者の渡辺優さんは、デビュー作『ラメルノエリキサ』で小説すばる新人賞を獲得された期待の作家さんです(買って読んだ後に知りましたが)。

ラメルノエリキサ

ラメルノエリキサ

 

 

表紙も好きだけど、タイトルも良いですよね。

まず、サメって(笑)しかも、自由な

「サメ」の二文字の印象が強すぎて、私はこの本を「サメ」と読んでいます。

もちろん水族館での話ではありません。

それは私も手に取った時点で分かったのですが…

「果たしてサメが出てくる小説を読んだことがあるだろうか?」という自問自答。

答えはNOです。

少しくらいはサメの話が出てくる小説は読んだと思います。

でも、タイトルにまでサメがいる小説ってなかなか無いような…。

少なくとも私は初めて出会いました。

となると、読まない訳には!

 

そんな感じで読むことになりました。

 

内容と感想

まずは内容から。

※ネタバレは無いように書きますが万が一あればごめんなさい。

この本は、全七編から成る短編集。

タイトルの通り、「夢」が、全編を通してのテーマとなっています。

「夢」と一言で言っても、寝てる間に見る「夢」、将来の「夢」などなど意味は色々。

「夢」の一文字をしっかり広げて、それぞれ色の異なる七編になっています。

決して分厚い本ではありませんが、それぞれの読み応えは十分です。

 

ちなみに、サメが登場するのは第六編と第七編のみ。

どういう風に登場するのかは、読んでからのお楽しみということで。

 

続いて感想を。

まず、第一編の書き出しから語りたい。

 

 「さて、私は死にたい。本当に死にたい。心の底から死にたい。」

 

はい、もう好き。好き。好き。好き好き好きの好き。

 

小説の書き出し、一文目は、作家にとって一番大事なところ、なんて言うけれど、

この書き出しは、作家の作風から人間性まで分かるような気が。

(分かったとは言ってない)

 

だってこれだけじゃ何がなんだか分からない。

私、って誰なのか。どんな人なのか。なんで死にたいのか。

そもそも書き出しから「さて、」って(笑)

 

読者はこんな疑問を持つでしょう。

この“ツッコみたさ満載”なのが良い。

読者は嫌でも続きが読みたくなる。

この書き出しは秀逸だと思います。

 

続いてツボだったのが、見返し

※本の表紙と中身の間の数ページの紙

 f:id:okasakae:20171209235610j:imagef:id:okasakae:20171209235628j:image

 

こんな感じなんですが、

ここで感動したのは紙の手触り…。

 

ちょっとザラザラしてるんです。

 

「これ、鮫肌じゃないか!??」

 

鳥肌立ちました。

些細なことかもしれないけれど、

作品の世界観を作ろうという姿勢が好きですね。

 

ストーリーや登場人物はなかなか独特。

過激なシーンこそそこまでありませんが、好き嫌いが分かれるかも。

 

 

個人的には第一編、第六編が好きかな。

「ちょっと壊れた女」みたいな主人公がツボでした。

デビュー作『ラメルノエリキサ』も、

あらすじを読むと主人公からは「ちょっと壊れた」匂いがしました(未読)。

作者はこういう人を書くのが好きなのかもしれませんね。

 

全編通して、作者の特徴を感じたのは「色の描写」です。

病院の白、義手の黒、夕焼けの赤、水の青etc...

風景、もの、空の色の表現力がとても豊かだと感じました。

 第四編なんかは絵画の絡む話だったし、作者は美術に明るい方なのかなあと思ったり。

 

七編のそれぞれを色の異なるストーリーに仕上げているのも、

「色の描写」の力だと思います。 

 

総評

初めて出会った渡辺優さんの作品でしたが、なかなか私のツボでした。

色の描写力や独特な世界観…そして「ちょっと壊れた女」(ここ大事)。

 

七編それぞれがしっかりと仕上がっていたのも良かったです。

渡辺さんのこれからの作品の作風に期待。

個人的には、第五編のようなミステリーものの長編が読みたいです。

 

 

読書感想文としては初回の投稿になりましたが

いかがでしたでしょうか。

ブログの書き方も文章の書き方もまだまだ未熟だし、そもそも書くまでに時間がかかりすぎる…。

それでもなんとか更新していこうと思います。

これから、体裁も文体も容赦なく変わっていくと思いますが、

偶然にもこのブログに出会って、私の読書感想文を読んだ方に、

 

「この本読んでみたい!」

 

と思ってもらえるような、

そんなブログに出来たらいいなあと思っております。

今後ともよろしくお願いします。

 

 

ブログを書くならこんなふうに

ブログを始めることにしました

 

突然すみません。

 

ブログを始めることにしました。

理由はあったけど忘れました。

始めると決めたのが一年半前なので。

 

一年半も経った理由なら分かります。めんどくさがっただけです。

 

軽く自己紹介。

生まれは九州関西在住、来年厄年の男です。

趣味は読書その他諸々。

ブログの内容も読書感想文が多くなるかなあと思います。

 

こんなもんでしょうか。

色を変えたのは楽しいかったからです。

 

とにかくまだペーペーです。

も分かりません。

少しずつ、チャレンジしていく所存です。

 

申し遅れました。私はサカエと申します。

駄文、長文ばかりかとは思いますが、

どうぞ宜しくお願いします。